さて、かねてから投稿するとお約束していた、D∃PTさん主催のハロウィン企画「黄泉喪乃祭(よみものまつり)」に送る作品がようやく出来上がりました。
はい、そこ、今更とか言わない。
着想は、(実際の)ハロウィンの時期からあったのですが、うまくまとまらず、FC12の作者レスや500文字のタイトル競作、ブランバー管理代行就任などもあり、しばらく放置プレイになっておりました。しかし、やはり不義理はアカン!と一念発起して何とかショートショートとして仕上げました。
ホラー作品が多い「黄泉喪乃祭」ですが、それらを読んで肝が冷えた頃合に拙作を読んでいただければ幸いです。というわけで、新作「ある科学観測所の十月」をぜひ読んでくださいね。
(ちなみに、今月のブランバーにも出します。他にも作品がいくつか届いておりますので、ブランバーのほうは今夜まとめて更新します。お楽しみに^^)
というわけで、レビューからどうぞ。
とある科学観測所の十月、そこはあのお祭りで盛り上がっていた……。
あなたのノスタルジーと軽い食欲を誘うかもしれない2,348文字。
「ある科学観測所の十月」
懐かしい心地がする。緑の多さはまだ昔のままだ。青々と輝く美しい水の景色をじっくりと眺めたあと、望遠鏡から離れ、所長は古ぼけた愛用のマグカップに口をつけた。ここの水も最初はあまり口に合わなかったが、もう長年これしかなかったせいで、すっかり馴れてしまった気がする。
デスクに戻り、積み上がったファイルにぼんやりと目を通す。電子署名をしなくてはならないファイルの山だ。今日は非常に稀少な日なのに、やはりいつもと同じ仕事をしている。ファイルデータが膨大なので署名はたいてい溜まりがちだが、月末になるとそれが著しい。みんな月次の締めに間に合わせようと束にして持って来る。今月はパーティの準備などもあって余計にあわただしかったのだ。……
→続きはこちらで
2005年11月25日
2005年11月23日
お気に入りだけど粗がいっぱい
ブランバー再起動と期を同じくして、おなじみ超短編サイト「500文字の心臓」のタイトル競作の作品が発表されました。選評のしやすさをもっと上げるには、という議論の最中の回なので、選評もいつもより盛り上がるといいなと願っております(^-^)。
さて、今回のタイトルは「そこだけがちがう」。サクッと書けそうでいて、なかなか独創的なものを書くのは難しく、結構悩みました。締め切り直前に神様が降りてきて、何とか間に合いましたが、一作が限界でした。というか、まだ一作が精一杯なのが実情なのですが(^-^;)。
出来のほうはまあまあレベル。相変わらずタイトルから二三歩離れた危うい線を綱渡り(^-^;)。書き上げた時はかなり満足したんですが、後から冷静に考えると粗がありますね。うーん。
そんなこんなの超短編・タイトル競作はこちら。
→http://www.asahi-net.or.jp/~nv5y-mngs/magazine/
さて、今回のタイトルは「そこだけがちがう」。サクッと書けそうでいて、なかなか独創的なものを書くのは難しく、結構悩みました。締め切り直前に神様が降りてきて、何とか間に合いましたが、一作が限界でした。というか、まだ一作が精一杯なのが実情なのですが(^-^;)。
出来のほうはまあまあレベル。相変わらずタイトルから二三歩離れた危うい線を綱渡り(^-^;)。書き上げた時はかなり満足したんですが、後から冷静に考えると粗がありますね。うーん。
そんなこんなの超短編・タイトル競作はこちら。
→http://www.asahi-net.or.jp/~nv5y-mngs/magazine/
2005年11月22日
古畑任三郎 VS イチロー!!
今日のinfoseekニュースで、ドラマ「古畑任三郎」の正月特番の記事を見つけました。ファイナル(仮)と題し、3〜5日の3夜連続で放送するみたいです。てか、お正月に3夜連続ってすごいな!!
→記事はこちら
で、注目の犯人役が、1日目は石坂浩二、藤原竜也、2日目はイチロー、3日目は松嶋奈々子とやはり豪華な顔ぶれなんですが、イチローは当然ドラマ初出演だそうで。しゃべるイチローを2時間たっぷり見る機会なんてそうそうないんじゃないでしょうか。
ブッキングしてきたプロデューサーもすごいですね。野球選手以外の役はおそらく考えられないと思うので(違ったらかなりサプライズですが^^;)、やはり大リーガー役なのかもしれません。松井(秀)や井口よりも演技はうまそうですが(ぉぃ)。
撮影も終了し、イチローは台詞を完璧に覚えてきていたそうで、事前に奥さんが自宅できっちり演技指導してる姿が目に浮かびました。あの夫婦すごいなぁ(^-^;)。
まあ、とにもかくにも三谷脚本の新作ですから、正月の「古畑スペシャル」は今からすごく楽しみです。
それと、オンライン小説投稿サイト「ブランバー」の管理人代行を私が務めることになりました。マスター(管理人さんの通称)が非常に多忙な状況で、パソコンクラッシュなどのトラブルもあり、しばらくの間バトンタッチとなります。正直いまちょっと「ブランバー」は寂しい状態なので、もっと以前のように盛り上げたいところです。
昨日、私のメルマガ『眠犬通信』でも発信しましたが、私の周りからでも再び人が集まってほしいと切に願っています。あいにくもうすぐ師走の時期なので、すぐにエンジンがかかるとは思っていません。ただ、せっかくの戌年ですし、賑やかな年明けを迎えたいですね。
ひとつ、よろしくお願いします!(*^-^*)
→記事はこちら
で、注目の犯人役が、1日目は石坂浩二、藤原竜也、2日目はイチロー、3日目は松嶋奈々子とやはり豪華な顔ぶれなんですが、イチローは当然ドラマ初出演だそうで。しゃべるイチローを2時間たっぷり見る機会なんてそうそうないんじゃないでしょうか。
ブッキングしてきたプロデューサーもすごいですね。野球選手以外の役はおそらく考えられないと思うので(違ったらかなりサプライズですが^^;)、やはり大リーガー役なのかもしれません。松井(秀)や井口よりも演技はうまそうですが(ぉぃ)。
撮影も終了し、イチローは台詞を完璧に覚えてきていたそうで、事前に奥さんが自宅できっちり演技指導してる姿が目に浮かびました。あの夫婦すごいなぁ(^-^;)。
まあ、とにもかくにも三谷脚本の新作ですから、正月の「古畑スペシャル」は今からすごく楽しみです。
それと、オンライン小説投稿サイト「ブランバー」の管理人代行を私が務めることになりました。マスター(管理人さんの通称)が非常に多忙な状況で、パソコンクラッシュなどのトラブルもあり、しばらくの間バトンタッチとなります。正直いまちょっと「ブランバー」は寂しい状態なので、もっと以前のように盛り上げたいところです。
昨日、私のメルマガ『眠犬通信』でも発信しましたが、私の周りからでも再び人が集まってほしいと切に願っています。あいにくもうすぐ師走の時期なので、すぐにエンジンがかかるとは思っていません。ただ、せっかくの戌年ですし、賑やかな年明けを迎えたいですね。
ひとつ、よろしくお願いします!(*^-^*)
2005年11月13日
旅日記「函館市電紀行」
せっかく北の大地にいるのだから一念発起して特急北斗に乗り込み、まずは南端から攻めてみむとてするなり――というわけではないのですが、昨日仕事で函館に出かけ、そのまま温泉宿に一泊して、今日は五稜郭などを観光してきたという日記です。タイトルは決して函館市・電気工と読みません(←誰も読みません)ので期待された方はご注意を。
さて、旅日記と言ってもブログらしく、携帯カメラで撮った写真をつらつら並べ、のんべんだらりと散歩道を書いていくだけですが、函館でたぶん一番シンプルな観光は市電コース。主要な名所がだいたいあります。これは非常に便利でした。函館は、北海道で札幌をしのぐ歴史と見所がある街で、札幌から特急で3時間半ほど(お金に余裕があれば丘珠空港から飛行機であっと言う間に行けますが)。札幌よりも気温がやや高いので、この季節でも観光客は結構見かけました。
金曜日の午後、先輩と二人で函館駅に到着。すると、駅前にでかい真っ赤なモニュメントが。(以後、画像はクリックすると拡大表示されます)

私が「だめぽ(orz)にそっくりですね」と言うと、先輩は大笑い。しかも親子(?)二人してだめぽな感じで、「だめぽな親子」と勝手に命名。……函館のみなさん、ごめんなさい(爆)
先輩と二人で仕事を無事終えて、予約していた湯の川温泉・プリンスホテル渚亭へ直行。この湯の川温泉、なんと海岸線に臨み、海が見える温泉です。昼間には津軽半島まで見えます。この温泉街にはいくつか温泉宿がありますが、渚亭が先輩のイチオシでした。もうこのあたりは地元の方に完全にお任せで。チェックインした後、最近できたという屋台村にタクシーで行きました。
それほど広い屋台村ではないのですが、飲み屋だらけ……でもなく、ジンギスカン、中華、イタリアンなダイニング、ラーメンなどごった煮な感じ。どの店も手狭で、カウンタ席ばかりがいかにも屋台村らしく。その中からおでんと刺身が食える飲み屋に入りました。ひとしきり食べ、コーヒー焼酎なるものを注文。この焼酎、この店オリジナルとのことで(というか普通の焼酎にコーヒー豆を入れて数日置いただけのものらしい)、意外にもなかなか飲みやすく香りが良かったです。
そして渚亭に帰り、浴衣をはおって大浴場へ。海が間近のせいか、お湯がちょっと潮の味で、何となく新鮮。露天風呂へ出ると、湾形をした海岸線の向こうに函館市街地の夜景がキラキラと輝いていました。お湯の温度もちょうど良く、なごやかな潮騒に包まれて、長いこと浸っていました。
翌朝は先輩とは別行動。というか先輩は週末の家族サービスのため朝のうちに早々と札幌へ。もったいないと思いつつ、お子さんが小さいので仕方がないようです。残った私は朝風呂にもう一度入り、それからチェックアウト。

バス停近くから眺める午前の海岸の景色です。風は寒くて、雲もありますが、なかなかの観光日和。海鳥たちが海辺で遊んでいました。もう少し寒くなったらどこかへ渡るんでしょうかね。
邪魔くさいスーツなどの荷物をコインロッカーに預けるため、とりあえずバスで函館駅へ一旦行きました。バス行の途中で石川啄木の像が目に留まりました。彼が滞在したことがあるそうで、記念公園が海岸通りにあるのです。そして、荷物を置いていざ函館市内観光へ! 渚亭のロビーのラックにあったカンソな観光マップを手に、駅前の市電乗り場へ向かいます。

「どっく前」という看板に妙な親近感を覚えつつ(笑)、駅の東へと。この市電の終着駅は造船のドックがあった場所なので「どっく前」駅のようです。ロープウェイのある函館山を横に見つつ、市電はのんびり進みます。温泉、市電、石川啄木、ロープウェイ、とイメージが連なると……かつて大学時代に旅行した、「坊ちゃん」の聖地(←大袈裟か)松山市・道後温泉を訪ねた思い出がぴたりと重なりました。松山城にロープウェイで昇ったり、石川啄木記念館にも行ったりと、意外にも似た要素が揃っているなと不思議な感動にふけりつつ。旅はこういうのが面白いですね。
市電の末広駅で降り、波止場のほうへ少し歩くと、北島三郎記念館とGLAYのアート館が一緒に入った建物が。まるで紅白歌合戦のような記念館だな、とにやにや顔で通り過ぎると、波止場に「北海道第一歩の地碑」というのがありました。

明治維新後、北海道の入口になった函館に内地の人々が上陸した旧桟橋を記念した碑です。なぜか分かりませんが、白クマをモチーフにしたモニュメントでした(白クマは自生してませんが何か?爆)。
時間があれば坂の道を昇り、聖ヨハネ教会ハリストス正教会を眺めて回りたかったのですが、函館は今回が二回目で、前回車でライトアップされた教会を見て回ったので、今回はパスしました。舗装された坂道や丘の上の洋館を見ると、横浜や神戸を思い出すんですよね。やはり欧米諸国の領事館などが建てられた港町は同じような歴史の色を持つのですね。
さて、私が西波止場へ来た理由は実はひとつ。「ラッキー・ピエロ」というハンバーガーショップが目当てでした。

アメリカン・オールド・ファッションな外観からも分かる通り、マクドみたいなファーストフード店ではなく港町らしいレトロな店構えがいいのです。函館市内にいくつかチェーン店がありますが、西波止場は本店で、ブランコ席(店の梁からブランコが下がっている席)があるのです。ここのチャイニーズ・チキンバーガーはハンバーガー金賞に選ばれたことがあるらしく(そんな選手権があるとは今日まで知りませんでした^^;)、やはり一番人気のようで。ちなみに、一昨年くらいにテレビ番組のDEBUYAが来て、めちゃくちゃでかいハンバーガーを食べていったそうです。
カップル率の多い店内で、私は敢然と男一人で席に座り、チャイニーズ・チキンバーガーを注文。甘辛ソースがしみた鶏の唐揚げが最高で、レタスもたっぷり、ゴマびっしりのバンズ(パン)、爽やかなサワークリームが程よくからみ、かなり美味しい逸品でした。これは普通にオススメです。
その後再び市電に乗って、函館駅前を通過し、かの有名な五稜郭公園へ。NHK大河「新撰組!」でも土方歳三戦没の地として出ましたが、やはり函館に来たら五稜郭は散策してみたいと勇んで向かいました。市電・五稜郭公園前駅で下りて歩くと、真っ白い五稜郭タワーの姿がだんだん見えてきます。

それほど高くはないのですが、まわりに高層ビルが少ないので、やはり端正な白さが際立って(洗剤のCMみたいだ^^;)、明るい日の光を浴びていました。最上階には展望台があるのですが、やはり夜景を楽しむためのものなので、今回はパス。横を通過すると、新撰組副長・土方歳三のブロンズ像が立っています。やっぱりこれは見て帰らないと!!とコーフンしつつ、羽織から軍服へ着替えた指揮官の雄姿をしばらく眺めました。旧幕府軍上層部の中で、箱館戦争で戦死したのは彼一人と伝えられているようで、武人として名を歴史に刻む結果になりました。

そして、彼のブロンズ像の隣りには箱館戦争の戦没者慰霊碑が。戦争時に使われた銃器も。

五稜郭公園に入り、ぐるりと外を巡るお堀にかかる橋を渡り、公園内へ。入口にある「五稜郭跡」の碑です。

公園内は緑の多い平坦な松林になっていて、復元された兵糧庫の横を通り、市立函館博物館五稜郭分館に入りました。戊辰戦争の絵巻物、略年表、榎本武揚・松平太郎・土方歳三ら旧幕府軍の肖像写真や、旧幕府軍の組織図、箱館沖の海戦・五稜郭開城の流れや、旧幕府軍の軍艦「開陽丸」の模型、新政府軍の軍艦「朝陽」(旧幕の軍艦「蟠龍」の砲弾で沈められた船)の竜骨の欠片、当時の甲冑、軍服、砲弾、洋式銃の数々、手術道具など、戊辰の遺物がたっぷり詰まった展示物の数々にコーフン・マックス!! これで入館料100円だなんて、マジっすか。(ちなみに、せいさんも来たのかなぁ)
これが市立函館博物館五稜郭分館の入口です。幕末にロシアやアメリカから購入したキャノンが! 嗚呼っ!

そして、帰りの電車の時間を確かめつつ、せっかく函館に来たので名物の塩ラーメンを食べようとお店を探すと、五稜郭公園出たところすぐに良さそうなラーメン屋が。あじさいというラーメン屋さん。事前情報は仕入れてなかったのですが、外装がとてもきれいで写真もうまそうなので、早速トライ。お昼からそんなに時間空いてなかったので、塩ラーメン並600円を一杯注文。まだ時間が早かったので、すぐに出てきました。

食べてみたらめちゃうま! 普通にうまいです。当たりでした。
コンブだしをベースに、野菜と鳥ガラと豚骨のコクを合わせて、透明なスープとやわらかなチャーシュー3枚とたっぷりネギが良いです。大満足で今回の函館観光ラストフードを飾ってくれました。
この後、すっかり日も落ちて暗くなったので、また市電に乗り、函館駅へ。特急北斗に乗って札幌市内に帰ってきました。市電を足に、温泉、ベイエリア、五稜郭を楽しく回った一日でした。
ラストはおまけ。五稜郭公園の近くで見つけたなかなかナイスなマンホールです。函館沖はイカ漁が盛んで、イカ祭りや、函館港おどり・いか踊り大会などもあるそうで、うーむ微妙に気になります(^-^;)。そんなわけで、旅行記を最後まで読んでくださった方に感謝☆
さて、旅日記と言ってもブログらしく、携帯カメラで撮った写真をつらつら並べ、のんべんだらりと散歩道を書いていくだけですが、函館でたぶん一番シンプルな観光は市電コース。主要な名所がだいたいあります。これは非常に便利でした。函館は、北海道で札幌をしのぐ歴史と見所がある街で、札幌から特急で3時間半ほど(お金に余裕があれば丘珠空港から飛行機であっと言う間に行けますが)。札幌よりも気温がやや高いので、この季節でも観光客は結構見かけました。
金曜日の午後、先輩と二人で函館駅に到着。すると、駅前にでかい真っ赤なモニュメントが。(以後、画像はクリックすると拡大表示されます)
私が「だめぽ(orz)にそっくりですね」と言うと、先輩は大笑い。しかも親子(?)二人してだめぽな感じで、「だめぽな親子」と勝手に命名。……函館のみなさん、ごめんなさい(爆)
先輩と二人で仕事を無事終えて、予約していた湯の川温泉・プリンスホテル渚亭へ直行。この湯の川温泉、なんと海岸線に臨み、海が見える温泉です。昼間には津軽半島まで見えます。この温泉街にはいくつか温泉宿がありますが、渚亭が先輩のイチオシでした。もうこのあたりは地元の方に完全にお任せで。チェックインした後、最近できたという屋台村にタクシーで行きました。
それほど広い屋台村ではないのですが、飲み屋だらけ……でもなく、ジンギスカン、中華、イタリアンなダイニング、ラーメンなどごった煮な感じ。どの店も手狭で、カウンタ席ばかりがいかにも屋台村らしく。その中からおでんと刺身が食える飲み屋に入りました。ひとしきり食べ、コーヒー焼酎なるものを注文。この焼酎、この店オリジナルとのことで(というか普通の焼酎にコーヒー豆を入れて数日置いただけのものらしい)、意外にもなかなか飲みやすく香りが良かったです。
そして渚亭に帰り、浴衣をはおって大浴場へ。海が間近のせいか、お湯がちょっと潮の味で、何となく新鮮。露天風呂へ出ると、湾形をした海岸線の向こうに函館市街地の夜景がキラキラと輝いていました。お湯の温度もちょうど良く、なごやかな潮騒に包まれて、長いこと浸っていました。
翌朝は先輩とは別行動。というか先輩は週末の家族サービスのため朝のうちに早々と札幌へ。もったいないと思いつつ、お子さんが小さいので仕方がないようです。残った私は朝風呂にもう一度入り、それからチェックアウト。
バス停近くから眺める午前の海岸の景色です。風は寒くて、雲もありますが、なかなかの観光日和。海鳥たちが海辺で遊んでいました。もう少し寒くなったらどこかへ渡るんでしょうかね。
邪魔くさいスーツなどの荷物をコインロッカーに預けるため、とりあえずバスで函館駅へ一旦行きました。バス行の途中で石川啄木の像が目に留まりました。彼が滞在したことがあるそうで、記念公園が海岸通りにあるのです。そして、荷物を置いていざ函館市内観光へ! 渚亭のロビーのラックにあったカンソな観光マップを手に、駅前の市電乗り場へ向かいます。
「どっく前」という看板に妙な親近感を覚えつつ(笑)、駅の東へと。この市電の終着駅は造船のドックがあった場所なので「どっく前」駅のようです。ロープウェイのある函館山を横に見つつ、市電はのんびり進みます。温泉、市電、石川啄木、ロープウェイ、とイメージが連なると……かつて大学時代に旅行した、「坊ちゃん」の聖地(←大袈裟か)松山市・道後温泉を訪ねた思い出がぴたりと重なりました。松山城にロープウェイで昇ったり、石川啄木記念館にも行ったりと、意外にも似た要素が揃っているなと不思議な感動にふけりつつ。旅はこういうのが面白いですね。
市電の末広駅で降り、波止場のほうへ少し歩くと、北島三郎記念館とGLAYのアート館が一緒に入った建物が。まるで紅白歌合戦のような記念館だな、とにやにや顔で通り過ぎると、波止場に「北海道第一歩の地碑」というのがありました。
明治維新後、北海道の入口になった函館に内地の人々が上陸した旧桟橋を記念した碑です。なぜか分かりませんが、白クマをモチーフにしたモニュメントでした(白クマは自生してませんが何か?爆)。
時間があれば坂の道を昇り、聖ヨハネ教会ハリストス正教会を眺めて回りたかったのですが、函館は今回が二回目で、前回車でライトアップされた教会を見て回ったので、今回はパスしました。舗装された坂道や丘の上の洋館を見ると、横浜や神戸を思い出すんですよね。やはり欧米諸国の領事館などが建てられた港町は同じような歴史の色を持つのですね。
さて、私が西波止場へ来た理由は実はひとつ。「ラッキー・ピエロ」というハンバーガーショップが目当てでした。
アメリカン・オールド・ファッションな外観からも分かる通り、マクドみたいなファーストフード店ではなく港町らしいレトロな店構えがいいのです。函館市内にいくつかチェーン店がありますが、西波止場は本店で、ブランコ席(店の梁からブランコが下がっている席)があるのです。ここのチャイニーズ・チキンバーガーはハンバーガー金賞に選ばれたことがあるらしく(そんな選手権があるとは今日まで知りませんでした^^;)、やはり一番人気のようで。ちなみに、一昨年くらいにテレビ番組のDEBUYAが来て、めちゃくちゃでかいハンバーガーを食べていったそうです。
カップル率の多い店内で、私は敢然と男一人で席に座り、チャイニーズ・チキンバーガーを注文。甘辛ソースがしみた鶏の唐揚げが最高で、レタスもたっぷり、ゴマびっしりのバンズ(パン)、爽やかなサワークリームが程よくからみ、かなり美味しい逸品でした。これは普通にオススメです。
その後再び市電に乗って、函館駅前を通過し、かの有名な五稜郭公園へ。NHK大河「新撰組!」でも土方歳三戦没の地として出ましたが、やはり函館に来たら五稜郭は散策してみたいと勇んで向かいました。市電・五稜郭公園前駅で下りて歩くと、真っ白い五稜郭タワーの姿がだんだん見えてきます。
それほど高くはないのですが、まわりに高層ビルが少ないので、やはり端正な白さが際立って(洗剤のCMみたいだ^^;)、明るい日の光を浴びていました。最上階には展望台があるのですが、やはり夜景を楽しむためのものなので、今回はパス。横を通過すると、新撰組副長・土方歳三のブロンズ像が立っています。やっぱりこれは見て帰らないと!!とコーフンしつつ、羽織から軍服へ着替えた指揮官の雄姿をしばらく眺めました。旧幕府軍上層部の中で、箱館戦争で戦死したのは彼一人と伝えられているようで、武人として名を歴史に刻む結果になりました。
そして、彼のブロンズ像の隣りには箱館戦争の戦没者慰霊碑が。戦争時に使われた銃器も。
五稜郭公園に入り、ぐるりと外を巡るお堀にかかる橋を渡り、公園内へ。入口にある「五稜郭跡」の碑です。
公園内は緑の多い平坦な松林になっていて、復元された兵糧庫の横を通り、市立函館博物館五稜郭分館に入りました。戊辰戦争の絵巻物、略年表、榎本武揚・松平太郎・土方歳三ら旧幕府軍の肖像写真や、旧幕府軍の組織図、箱館沖の海戦・五稜郭開城の流れや、旧幕府軍の軍艦「開陽丸」の模型、新政府軍の軍艦「朝陽」(旧幕の軍艦「蟠龍」の砲弾で沈められた船)の竜骨の欠片、当時の甲冑、軍服、砲弾、洋式銃の数々、手術道具など、戊辰の遺物がたっぷり詰まった展示物の数々にコーフン・マックス!! これで入館料100円だなんて、マジっすか。(ちなみに、せいさんも来たのかなぁ)
これが市立函館博物館五稜郭分館の入口です。幕末にロシアやアメリカから購入したキャノンが! 嗚呼っ!
そして、帰りの電車の時間を確かめつつ、せっかく函館に来たので名物の塩ラーメンを食べようとお店を探すと、五稜郭公園出たところすぐに良さそうなラーメン屋が。あじさいというラーメン屋さん。事前情報は仕入れてなかったのですが、外装がとてもきれいで写真もうまそうなので、早速トライ。お昼からそんなに時間空いてなかったので、塩ラーメン並600円を一杯注文。まだ時間が早かったので、すぐに出てきました。
食べてみたらめちゃうま! 普通にうまいです。当たりでした。
コンブだしをベースに、野菜と鳥ガラと豚骨のコクを合わせて、透明なスープとやわらかなチャーシュー3枚とたっぷりネギが良いです。大満足で今回の函館観光ラストフードを飾ってくれました。
この後、すっかり日も落ちて暗くなったので、また市電に乗り、函館駅へ。特急北斗に乗って札幌市内に帰ってきました。市電を足に、温泉、ベイエリア、五稜郭を楽しく回った一日でした。
ラストはおまけ。五稜郭公園の近くで見つけたなかなかナイスなマンホールです。函館沖はイカ漁が盛んで、イカ祭りや、函館港おどり・いか踊り大会などもあるそうで、うーむ微妙に気になります(^-^;)。そんなわけで、旅行記を最後まで読んでくださった方に感謝☆
2005年11月09日
長い冬がはじまります。
今朝、ついに札幌市内に初雪が降りました。
もっとも地面が濡れた程度で、まだ積もってはいません。私はこれから北の大地の冬をはじめて迎えます。いったいどうなることやら楽しみであり、心配でもあり^^。
とりあえず、灯油価格よこれ以上騰がらないでくれー! という心の叫びはともかくとして、かなり気が早いけれど、ブログをお月見モードから雪見モードに衣替えしました。
ところで、氷屋さんは夏の間どこで働いているのでしょうか?
答えは空です。
空から降ってくるきれいな粉雪が氷屋の職人仕事に思えた、そんな朝の一句です。
もっとも地面が濡れた程度で、まだ積もってはいません。私はこれから北の大地の冬をはじめて迎えます。いったいどうなることやら楽しみであり、心配でもあり^^。
とりあえず、灯油価格よこれ以上騰がらないでくれー! という心の叫びはともかくとして、かなり気が早いけれど、ブログをお月見モードから雪見モードに衣替えしました。
ところで、氷屋さんは夏の間どこで働いているのでしょうか?
答えは空です。
空から降ってくるきれいな粉雪が氷屋の職人仕事に思えた、そんな朝の一句です。
「シュガー・マジック」
長い旅から帰ってくると、庭の甘夏の木のもとに、思わぬものが出現していた。大理石の原石が隆起したかのような、白い三角形の巨大建造物。庭先で遊ぶ鳥たちに尋ねてようやく正体を知った。
まっくろに日焼けした働き者たちが家に忍びこみ、おびただしい数の角砂糖を運んで積み上げ、女王の陵墓を築いたというのだ。ただひたすらに、敬愛する彼らの母の永遠を願い――
白い三角錘のてっぺんに、ついに神秘の夜がおとずれた。庭じゅうの草葉の陰から、おごそかな奉唱が巻きおこり、千年来の命の粒子がひろがるルリ色の彼方へ一筋の淡い光が立ちのぼる。光は夜空と漏斗状につながって、白い砂時計が流れだし、神の息吹を地上へみちびく。
働き者たちは触角のささやきを止め、くろい瞳をまっすぐ据えて葬送のときを見まもった。甘夏の青葉をすかし、星の手がさやさやと墓畔に降り注ぐ。そして彼らの母は、あまく香る永遠のなかにとけこんだ。
残光のさす縁側に腰かけ、もぎたての甘夏を噛みしめる。若い酸っぱさが舌をわたり、まなじりに移っていった。
(おわり)
後書き
まっくろに日焼けした働き者たちが家に忍びこみ、おびただしい数の角砂糖を運んで積み上げ、女王の陵墓を築いたというのだ。ただひたすらに、敬愛する彼らの母の永遠を願い――
白い三角錘のてっぺんに、ついに神秘の夜がおとずれた。庭じゅうの草葉の陰から、おごそかな奉唱が巻きおこり、千年来の命の粒子がひろがるルリ色の彼方へ一筋の淡い光が立ちのぼる。光は夜空と漏斗状につながって、白い砂時計が流れだし、神の息吹を地上へみちびく。
働き者たちは触角のささやきを止め、くろい瞳をまっすぐ据えて葬送のときを見まもった。甘夏の青葉をすかし、星の手がさやさやと墓畔に降り注ぐ。そして彼らの母は、あまく香る永遠のなかにとけこんだ。
残光のさす縁側に腰かけ、もぎたての甘夏を噛みしめる。若い酸っぱさが舌をわたり、まなじりに移っていった。
(おわり)
後書き
「風船ジャック」
噂には聞いていたが、彼女が赴任したクラスは死に絶えた森のように静かだった。子供たちは誰一人しゃべらない。頭の大きさほどの風船をめいめいが胸に抱え、それをこすり合わせて会話するのだ。きゅ、きゅん、きゃわっ、きゃお……。夜のイルカの嘆きを見ているような光景だった。
彼女もまた自分用の風船をふくらまし、子供たちに挨拶して回る。風船の触れあいは言葉よりも直接的で生々しい。ゴム膜に閉じ込められた吐息の温度が、互いの風船を伝って響き合い、音になり、声になり――きゅあ。ぎゅえ。ずっぬ。ゴムの摩擦が冷たい嗚咽にように切々と身を詰ます。数人が寄り集まると心も揺らぐほどに。
いくら日が経っても馴れなかった。風船を持つからこの状態が続くのではないか。一度取り上げてみたらどうか……迂闊にも子供と風船で接していた最中にそう感じてしまった。子供たちの気配が一変する。石の森に佇む凶眼が一斉に取り囲み、真っ先に彼女から風船を奪った。音の基底が弾け飛ぶ。手にすがるものが何もない――痺れが走り内腑が逆行する。頭の大きさまでゴムがふくらんだ。
きゅうぃ。
イスが引かれ、また一つ子供の席が埋まる。手には風船、空っぽの教壇。
(おわり)
後書き
彼女もまた自分用の風船をふくらまし、子供たちに挨拶して回る。風船の触れあいは言葉よりも直接的で生々しい。ゴム膜に閉じ込められた吐息の温度が、互いの風船を伝って響き合い、音になり、声になり――きゅあ。ぎゅえ。ずっぬ。ゴムの摩擦が冷たい嗚咽にように切々と身を詰ます。数人が寄り集まると心も揺らぐほどに。
いくら日が経っても馴れなかった。風船を持つからこの状態が続くのではないか。一度取り上げてみたらどうか……迂闊にも子供と風船で接していた最中にそう感じてしまった。子供たちの気配が一変する。石の森に佇む凶眼が一斉に取り囲み、真っ先に彼女から風船を奪った。音の基底が弾け飛ぶ。手にすがるものが何もない――痺れが走り内腑が逆行する。頭の大きさまでゴムがふくらんだ。
きゅうぃ。
イスが引かれ、また一つ子供の席が埋まる。手には風船、空っぽの教壇。
(おわり)
後書き
2005年11月06日
2005年11月03日
『マイクロスコピック☆お月見賞』発表!
みなさま、この度はマイクロスコピック主催特別企画「お月見句会」に多数ご参加くださいまして、誠にありがとうございました。秋の情緒たっぷりの俳句、ぴりっとユーモアの効いた楽しい俳句、わずか十七文字から音や匂いまで伝わってくる表現力豊かな俳句、本当に多彩な作品が出揃ったことに感激しております。さて、それでは主催者の独断と偏見で、栄えある最優秀お月見俳句を一作選ばせていただきます。
まずはノミネート作品からご紹介します。特にノミネート数は決めていなかったのですが、ちょうど10作になりました。感想はまとめて総評に述べさせていただきます。
月兎父と一献酌み交わせ (あっこさん)
あだ討ちて 血刀捨てし あおぐ月 (瀬川潮さん)
脛毛抜く愚妻懐かし夜半の月 (あっこさん)
秋葉月 十月十日の 夜に萌え (kamiyaさん)
月の下 両目閉じれば 秋の景 (tomocatさん)
君の手を 握る其の時 秋時雨 (高橋京希さん)
気が付くと満月が齧られている (根多加良さん)
月を撃て尾花かすめて牛車飛ぶ (はやかつさん)
ころり寝ころべば乳枕 (団鬼緑さん)
文化祭 終えてふたりに 月灯り (まえぞうさん)
【 総 評 】
俳句は歌に似た一面があり、歌は世につれ人につれ――その時代の人のこころを詠むものです。たった十七文字程度の世界では技巧を凝らしたり、遠回りしたりせず、詠み手の心に浮かぶ情景がそのまま表れるものだなぁ、とあらためて思います。その意味で、「月兎―」は亡きご尊父を悼み、慈しむ心がやさしい語り口で映し出された作品でした。
また、歌には音景色がよく似合います。「月の下―」と「君の手を―」はともに秋らしい虫や雨の音が作品世界をぱっと広げてくれました。「月の下―」は素朴な言葉づかいながら、両目を閉じてささやく秋の楽しみがよく出ていて、また「君の手を―」は月は出ませんが、雨上がりの月を期待させるセンチメンタリズムがあふれていました。
逆に、視覚とリズム感に凝っていたのは「あだ討ちて―」と「月を撃て―」の躍動的な2作です。現代風と古風それぞれのアクション俳句と言いましょうか、月を見るというお題でも、詠み手のデザインワークによって俳句に新しい力が吹き込まれると感じました。
小説では通常、時は経過しますが、俳句では刹那の情景を詠むものが多いように思います。しかし、時の経過を伝え、わずかな字数の中に移りゆく心の流れを織り込む楽しみもあります。「脛毛抜く―」は昔と変わらぬ月の姿と、妻と離れた自分と対比する哀しみを覚えます。また、「気が付くと―」は対象を独特に歪めた作品ですが、もしかしたらずっと見ていても気づかなかったくらい少しずつ齧られていたのかと詠むと、思わぬ奥深さを秘めています。
にやりとするユーモアでは「秋葉月―」に優る作品はなかなか見つかりません。遊び心もまた文化であり、秋葉や萌えをうまく扱った小粋な一品でした。「ころり―」はサービスで選んだわけでなく、お月見のテーマに少し離れていますが、縁側のほのぼのした妄想夢想と大きなまるい乳月がふんわりと重なって、微笑ましいくつろぎが醸し出ているのが素敵です。
さて、グランプリ以外の作品評をまとめていましたら、たまたまこうなってしまいましたが、私が今回『マイクロスコピック☆お月見賞』に選んだのは、まえぞうさんのこちらの俳句です! おめでとうございます!
文化祭 終えてふたりに 月灯り (まえぞうさん)
とても自然な言葉で、表情豊かで味わいに満ちた作品でした。発句の「文化祭」で騒がしさがバッと頭に浮かび、「終えてふたり」として誘われる少し特別な世界に、やさしく静かな「月灯り」が照らされる。青春期の淡い恋心が胸いっぱいに広がる美しい作品でした。
作中のふたり同様、詠み手もまた多く語らず、しかし印象深い余韻が残る、そんな自然体の姿勢に強く惹かれるものがありました。月灯りの引き立て方も、誰彼にも伝わると思えるほど素敵です。
というわけで、受賞されたまえぞうさんにどうぞ惜しみない喝采をお願いします!!
純粋にお月見と俳句を楽しんでいただくため、企画側から特にお贈りするものはございませんが、心を込めた選評に代えさせていただければ幸いです。受賞作、ノミネート作、あるいは主催者へのメッセージなどがありましたら、ぜひこの記事の【コメント欄】にどんどん書き込んでくださいね!
どうもありがとうございました。
まずはノミネート作品からご紹介します。特にノミネート数は決めていなかったのですが、ちょうど10作になりました。感想はまとめて総評に述べさせていただきます。
月兎父と一献酌み交わせ (あっこさん)
あだ討ちて 血刀捨てし あおぐ月 (瀬川潮さん)
脛毛抜く愚妻懐かし夜半の月 (あっこさん)
秋葉月 十月十日の 夜に萌え (kamiyaさん)
月の下 両目閉じれば 秋の景 (tomocatさん)
君の手を 握る其の時 秋時雨 (高橋京希さん)
気が付くと満月が齧られている (根多加良さん)
月を撃て尾花かすめて牛車飛ぶ (はやかつさん)
ころり寝ころべば乳枕 (団鬼緑さん)
文化祭 終えてふたりに 月灯り (まえぞうさん)
【 総 評 】
俳句は歌に似た一面があり、歌は世につれ人につれ――その時代の人のこころを詠むものです。たった十七文字程度の世界では技巧を凝らしたり、遠回りしたりせず、詠み手の心に浮かぶ情景がそのまま表れるものだなぁ、とあらためて思います。その意味で、「月兎―」は亡きご尊父を悼み、慈しむ心がやさしい語り口で映し出された作品でした。
また、歌には音景色がよく似合います。「月の下―」と「君の手を―」はともに秋らしい虫や雨の音が作品世界をぱっと広げてくれました。「月の下―」は素朴な言葉づかいながら、両目を閉じてささやく秋の楽しみがよく出ていて、また「君の手を―」は月は出ませんが、雨上がりの月を期待させるセンチメンタリズムがあふれていました。
逆に、視覚とリズム感に凝っていたのは「あだ討ちて―」と「月を撃て―」の躍動的な2作です。現代風と古風それぞれのアクション俳句と言いましょうか、月を見るというお題でも、詠み手のデザインワークによって俳句に新しい力が吹き込まれると感じました。
小説では通常、時は経過しますが、俳句では刹那の情景を詠むものが多いように思います。しかし、時の経過を伝え、わずかな字数の中に移りゆく心の流れを織り込む楽しみもあります。「脛毛抜く―」は昔と変わらぬ月の姿と、妻と離れた自分と対比する哀しみを覚えます。また、「気が付くと―」は対象を独特に歪めた作品ですが、もしかしたらずっと見ていても気づかなかったくらい少しずつ齧られていたのかと詠むと、思わぬ奥深さを秘めています。
にやりとするユーモアでは「秋葉月―」に優る作品はなかなか見つかりません。遊び心もまた文化であり、秋葉や萌えをうまく扱った小粋な一品でした。「ころり―」はサービスで選んだわけでなく、お月見のテーマに少し離れていますが、縁側のほのぼのした
さて、グランプリ以外の作品評をまとめていましたら、たまたまこうなってしまいましたが、私が今回『マイクロスコピック☆お月見賞』に選んだのは、まえぞうさんのこちらの俳句です! おめでとうございます!
文化祭 終えてふたりに 月灯り (まえぞうさん)
とても自然な言葉で、表情豊かで味わいに満ちた作品でした。発句の「文化祭」で騒がしさがバッと頭に浮かび、「終えてふたり」として誘われる少し特別な世界に、やさしく静かな「月灯り」が照らされる。青春期の淡い恋心が胸いっぱいに広がる美しい作品でした。
作中のふたり同様、詠み手もまた多く語らず、しかし印象深い余韻が残る、そんな自然体の姿勢に強く惹かれるものがありました。月灯りの引き立て方も、誰彼にも伝わると思えるほど素敵です。
というわけで、受賞されたまえぞうさんにどうぞ惜しみない喝采をお願いします!!
純粋にお月見と俳句を楽しんでいただくため、企画側から特にお贈りするものはございませんが、心を込めた選評に代えさせていただければ幸いです。受賞作、ノミネート作、あるいは主催者へのメッセージなどがありましたら、ぜひこの記事の【コメント欄】にどんどん書き込んでくださいね!
どうもありがとうございました。
2005年11月01日
多数のご参加ありがとうございました!
おかげさまで、お月見句会の投稿受付を終了しました。いささか突発的で、しかも俳句を詠むという普段なじみの薄い企画でありながら、本当にたくさんの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
そして、お約束通り、主催者が独断と偏見で厳選して(^-^)、「マイクロスコピック☆お月見賞」を贈呈したいと思います。このコメント欄に書き込まれた俳句を対象としまして(管理人の作は除く)、ただいま鋭意選考中です。もう少しだけお待ちください。よろしく月ドッグ!
そして、お約束通り、主催者が独断と偏見で厳選して(^-^)、「マイクロスコピック☆お月見賞」を贈呈したいと思います。このコメント欄に書き込まれた俳句を対象としまして(管理人の作は除く)、ただいま鋭意選考中です。もう少しだけお待ちください。よろしく月ドッグ!


